ソバンガン村(Desa Sobangan)をご存知でしょうか?
ムングイ地区の、住人3554名の素朴な村です。私も初耳でした。
ムングイには有名なタマンアユン寺がありますが、バンドゥン県が観光客がタマンアユンの観光の後、ブドゥグル方面に向かう前にこの村に立ち寄ってもらえるような観光要素を見いだしたいといことで、ウダヤナ大学の学生と教師がソバガン村に1ヶ月間の合宿しています。地域活性化を計る課外授業だそうです。
そこへ日本人として視察に行き、感想を述べるという使命を預かり「ソバンガン村」に行って来ました。
案内は「わくわくバリツアー」のラディタさん。そして甥っ子がウダヤナ大学生でこの課外授業に関わっているというクドゥさんが車を運転してくださいました。
ひとりでは心細いので、経験豊富なBBさんについてきてもらいました。
おおきなオダランに備えて主婦達がお供えのお飾り作りに励む風景に出くわしました。
バリらしくて和みます。
ムングイに着きましたが、まだ開催時間まで時間があるというので、タマンアユン寺のお堀添いにある東屋でコピバリを飲みながら時間をつぶします。さすがバドゥン県。道路も綺麗です。
役所の講堂には30名くらいのウダヤナ大学の生徒さんが寄宿しています。
医学学科、経営学科、英文学科、動物学学科など学部はいろいろです。
さて…かれこれ1時間半くらい待機をしていますが、何が開催されるのでしょう?
段取りを説明する人がいないまま、ゆる〜い時間が流れていきます。
何の説明の無いまま、いつの間にかお役所の人らしき方達と、ウダヤナの動物学の教授などを前にし、微笑み合いながらソファに座っていたら、突然「質問をお願いします」と言われ 😯 「え!そ、その〜ソバンガン村はいつごろから存在するのですか?」ととっさにたずねてみたところ、(たずねてしまったところ)
役場の方が人を呼びに行き、詳しい人が出てこられて、
ソバンガン村の長い長い歴史を話はじめました。(しまった?)
短くまとめると、
この村の名前の由来は「流浪の民」的な意味で、現在の住民の先祖は15世紀ごろ今のクルタラング(サヌール近郊)で小さな王国を築いていたけれど崩壊し、戦いやぶれては色々な場所に移り住んだ軌跡が残っているそう。最終的にムングイの王様に受け入れられて今の地に落ち着き1994年に村として独立したらしい。
ソ(神聖な白)バンガン(赤)は勇気という意味が込められているそうです。
ほ〜〜思いのほか歴史深い村なのでした。通訳のラディタさんお疲れさまでした!
で、村おこしの目玉はナンなのでしょう??
ソバンガン村の産物を問うと、お米、お供えのお花や家畜です。とバリ島でありきたりの産物しか上がってきません。
「何を観光客に見せるのですか?」
「そうですね。。。お米の収穫を牛にやらせてそれを見せるとかですかね。。」
「今もそうして収穫しているんですか?」
「いえ、これから考えてみようと思っています」
「そうなんですね。。。」
ウダヤナ大学の生徒さんたちは、1ヶ月合宿して何を手伝っているのかな?
ちなみに、この村に嫁いだお嫁さんに外国人はもとより、バリ人以外はいないそうで、かといって禁止もしていないとのことです。
時間を持て余してそんなたわいもない話をしつつ
。。。で、私たち、これから何をするのかにゃ〜〜?
ようやくこれからどこかに行くようです。
お役所を後にする前に、記念撮影をするとのこと。
記念撮影?。。。というか、この方達は誰?とお互い思っているはず。
写真に入ってきた方達、先ほどよりかなり増えていますが。。。
さて、今から何をしに行くのか不明なままのどかな田舎道を少し歩いて到着したのは
「サピバリ(バリ牛)」の牛舎! うぁ〜〜〜 なんと、この村は、バリ島の純血牛、サピバリの飼育場を持っている村だったのです。❗バリ島で最大です。 (それを早く言わんかいっ 🙄 )
飼育される牛の数は現在288頭。これは見応えがありますよ〜。
ラディタさんの通訳によると「Sapi Bali/サピバリ」は、バリ島で産まれた純血統の牛で、特徴は身体が茶色で、足が白いハイソックスを履いているように白く、お尻も楕円形に白く、背中に黒い線が入っていいます。ここのバリ牛達は乳牛としてではなく、食用のみの牛として飼育されています。
バドゥン県は他の県よりもダントツ裕福なので、サピバリの赤ちゃんを配給し、ソバンガン村で育て続けるように牛舎を作り与え、今に至るそうです。なのでここの牛は純血種のみのサピバリ・アスリ。サピバリは元々肉が柔らかくて美味しい牛で、ジャワ島へも送られて育てられましたが、純血を保てなかったそうです。
日本の牛とは見た目が違い、色は茶色で睫毛がバサバサの大きな目をしています。おとなしく、穏やかな性格のよう。子牛はバンビの様に愛らしくて可憐です❤。
そのあとは、「先に見学トレッキングに行きますか?先にお弁当タイムにしますか?」
と聞かれて、「では見学トレッキングから」と答えましたが、
「やっぱりお食事してからにしましょう」とのことで。。。 😆
しかしお箸やフォークがありません。 😉 この村ではまだまだ手で食べる習慣のようです。この時、ヨーロッパからの交換留学生とランチボックスの蓋を開けたままお預けに。学生がバイクでフォークを買いに走って届けてくれましたホッ。
「では見学トレッキング用のシューズに履き替えてもらいます。」
というので、道無き道を行く覚悟でいたら、
「やっぱり変更します。トレッキングの前に村の小学生の質問会があります。こちらへどうぞ〜」「こちらで、小学生の質問を受けてください」と。。 😯
村の野外講堂のような場所に案内されました。すでに小学生達が集まっています。
この小学生から質問攻めに合うところを想像したBBさんと私は「小学生の容赦ない質問攻めにあうということよね?」「年齢は若く言っちゃう?旦那は商社マンって言おうかな」とヒソヒソ話の打ち合わせもむなしく、待てども質問会は開催されず 😆 。。。
「では、みんなで村長さんのお話を聞きましょう」ということで、村長さんが現れました。
ラディタさんが、「バリ人は演説好きだから、長くなるよ〜」というので覚悟し、足を崩していたら、数分で終了 😆 。
「早っ!」
ふと、見るとこの日付のこのイベントのことを印刷した大きな垂れ幕がかかっています。
え!今日は農村実習の成果を見せるイベントだったのね! 😯
講堂の屋根がぼろぼろ。垂れ幕よりも先にこれを修理しないのかにゃ〜〜と
「では、皆で牛舎に行ってください」 「ええ?また牛舎 🙄 ?」 「小学生たちと一緒に牛を見学してください」
トラックで象草(Rumput gajah)を運び入れ、機械で細かくカットしたものを牛に与えます。(食べたばかりなのか、全然食べません)
あれ?ふと気がつくと、学生カメラマンに混じって、プロカメラマンっぽい男性からカメラを向けられている気配を感じます。
なんと「BALI POST」誌が取材に来ているようです。
目をそらし続けたのも利かず、「すみません!外国人の意見を取材させてください!」と呼び止められて???。。。
「今日の視察で、何に興味をもたれましたか? この村の事をどう思いますか?」
「私は、ここへ来て、サピバリというバリ産の牛の存在を初めて知りました。これだけ大規模に肉牛を飼育していることが、この村の最大のウリだと思いました。それをもっとアピールする為に、村の方達でここに『ソバンガン・ステーキハウス』をオープンされてはどうでしょうか?和牛やオージービーフに並んで、ソバンガン・ブランドの美味しくて新鮮な牛肉を産地で食べられる名所として、日本人にもヨーロピアンにも興味の的になると思います。
と、用意していたかのように答える私。
(牛舎しか見なかったので。。。)
役所の方と教授が「ほ〜〜!村でステーキハウス!それは面白い、是非やりたいですね!!」と喜んで頂いたので
「ソバンガンしゃぶしゃぶもいいですね!」と調子に乗る私。
「しゃぶしゃぶは、インドネシアでは覚醒剤を意味するんですよ?」とラディタさんが焦って訂正 😳
「わ!すす、すみません!」
そんなこんなでBALI POSTのインタビューが完了。こんなのニュースになるんかなぁ。。
ここのサピバリは可愛い顔していますが、食べてみたいと思わせました。牛は南部でも時々放牧されていますが、ガリっと痩せていて、美味しそうとは思いません。美味しい食牛として育てられているだけあってむっちりした体型していましたよ。
「最後に、このパパイヤをもいでいってください」と木に実る巨大パパイアを指さされ「もいでいる恰好を撮らせてください。あ、そのままの恰好でストップしてください」と大げさな写真撮影。 😳
次は「女子大生からのお土産です、地元の主婦達と地元の食材で作りました」
「わ、ありがとうございます!」
「あ、進呈している様子を撮影しますので、もう一度お土産を彼女に返却してください!」
「あ、はい?」
これらの写真は、ウダヤナ大学のレポートや、村の議事録に使われるのかなwww
ソバンガン視察会はこれにて終了とのこと。 😀 ?
あれ?トレッキングは中止だったのかな?
主催者ってだれだったのかな?
ほんとうに皆のんびりまったりとしてますな〜、バリらしいなぁ〜???
とにかく、裕福なバドゥン県だからこそ、サピバリ・アスリを守り続けてくださいね!
美味しいローカル牛のブランディングを実現してください。
いつか「ソバンガン・ステーキハウス」の名前を聞く日を楽しみにしていますよ〜♫