サヌールから15分『天国⬆ときどき地獄⬇』のドキドキ穴場?スポット

サヌールのスランガン島は、昔はローカル以外はサーファーだけが渡る島でしたが、
今では道も整備され、日本人含む外からの在住者も増えつつあり、豊富な海の幸に恵まれてと〜っても羨ましい環境です。

そのスランガン島へ(サヌールから)向かう少し手前にも、海の方へ曲がる道が有りますが、長年素通りして気にもとめませんでした。バイパスの小さな交差点から入る道です。

ある日、バリ島の港に入る船舶に関するお仕事をされているバリニーズのニョマンさんからのお誘いで、思いがけずこの道の先へ行く機会がありました。

 

ニョマンさんから「来週あたり埠頭にレストランオープンさせるから来てね!」と。
「埠頭??どこですか?名前は何ですか?」
「ん〜名前?まだ決めてない。バイパスから近いよスランガンの前」
「は?まだ名前つけてないんですか?」
「とにかく、あんたの家から近いから、5分だから来てね!」

で、その日は突然やってきました。
「今からおいで〜〜」
「え〜〜〜?今?」
「サヌールからすぐよ!お魚食べに来てよ〜!」
「え〜? 急だし、午後から用事もあるし。。。」
「家から近いから、さっと来なさいよ!待ってるよ!」
「?強引やわ。。。」

住所も曖昧。ゴジェックに乗るも、迷う迷う。

心の声は「何が5分やねん!。。。もぉ〜突然すぎるねん? 強引やねん。。。どこやねん!」と悶々と思いながらやっとのこと目的地にたどり着きました。

でも!この風景を目の当たりにした時
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「うぁあ〜〜〜!綺麗!!」

明るい日差しに映えるブーゲンビリアのカーマインレッド色とマングローブの緑✨
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「わ〜〜〜来て良かった〜〜?」
と、さっきの気持ちとコロッと打って変わって幸せな気分に。

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わ〜何?ここは何?

そして突き当たりにあるこちらが、ニョマンさんの食堂「Kondang Sesetan」
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なんか、なんの思い入れも無いような店名です。単なる住所の名前。
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看板兼メニューの写真は、イカンバカールやアヤムバカールに混じってトースト?
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広いんです。
お客さんは来るのか??
何故かホテルのように国別の時間の時計が。。。

 

「遅かったな〜」
ニョマンさんがニコニコして待ち構えていました。
で、いつも重そうな金の指輪や腕輪をしていますwww。
「指輪、重そうですねぇ〜〜〜」って冷やかすと
「偽物よ、中味は空っぽ」と謙遜します。

デッカくて美味しい美味しいイカンバカール等をごちそうになりました。
顔の1.5倍くらいの大きさ!
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勿論、新鮮で美味しかった〜?

「新鮮でしょ!特別ルートがあるから」

しかし、ニョマンさん、めっちゃ忙しい人らしいのに、よく食堂まで作るよなぁ。。。
(レストランというよりも、何だか大食堂というイメージのお店)
なんでこんな誰も知らない場所に作ったんだろうなぁ。。。

うちから5分というのは大嘘でしたが、うちからバイクで15分でこの別世界に来られるなら
ちょっといいんじゃない??♫

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向こうに見えるはスランガン島。

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ここからギリやレンボンガン、ヌサプニダに渡るファストボードが出るのね。
離島へ渡る新しい出航場所というわけだ。ナルホド〜。
そのための待ち合い食堂が「Kodang Sesetan」というわけだ!ナルナル〜

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ちょっとした「別世界」。

海と河の合流するマングローブの景色は、ちょっとビーチの色味とはちがった趣。
次の用事を急いでいたので、
食べるだけ食べてそそくさと帰りましたが、
またひとりでゆっくりここに探検に来たいなと思いました。

*****

暫くして、日本からの友達が来たとき
「あそうだ!あの秘境に連れて行きたい!」と思い立ち
『Kedang sesetan』を目指しました。

「ちょこっとバイクで行ったら誰もしらない別世界があるねんよ♫」と
得意げに誘導した私。
が、しかし?
バイパスを左折して割れ門をくぐり、その場所近づくにつれて、
テンションが急降下していくのです。
何故でしょうか。。。。

「うううううそでしょ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜???」

「超〜〜〜!臭い!!???」

「くくくくくさ!くさ!くさ!!くさ〜〜〜〜〜〜い???」

残念!強烈なゴミの匂いです。
「ひ〜〜〜っ? くさいくさいくさいくさい???」

こんなに長時間臭い匂いを嗅ぎ続けるなんて、私の人生で初めてかも。
それでも納得がいかずで臭いところへどんどんつき進んで行きました。
埠頭まで行けば、匂いは消えるかも?
その希望は叶わず、
バイクのヘルメットを外したら余計に匂いをダイレクトに受けることに。。。。

私の妙な探究心にいつもつき合ってくれる友達が、さすがに悲壮な顔に。

「ごめんね〜、、、こんなはずじゃなかったの???」

むむむ。。。
嗚呼ゴミ問題!
海に捨てられたゴミが集まって来る河口に近いらしい。。。

深刻です。
このまま居ると臭覚がやられそう?????

といいつつ、お腹グーグーだったので食欲に負けてwww

「さくっとナシゴレンでもサクッと食べよう」と注文しちゃいました。

人間とは便利に出来ているもので、あんなに臭かった匂いも
美味しい匂いの方が勝ってしまいます。あれだけの臭さを感じなくなりまして……..
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ナシゴレンは差し障りの無い食べ物で、不味いのを見つけるのも美味しいのを見つけるのも難しいのですが、また食べたいと思わせる美味しさでした。

「あ、焼き貝もあるね!食べよう!」
「あ、タコも食べるよね!」
「追加お願いします!」
もう、完全に匂いの事を忘れています。

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タコゴレン!これは文句なしに旨い?白いご飯が進みます。

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大好きな貝焼き。
ここの貝焼きは、ちょっとタレが好みでは無かったな〜。
(この日食したものの価格はRp.20,000〜25,000)

あの地獄のような臭さをすっかり忘れて堪能。

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メニューも簡単。
朝はファストボートの出航時間に合わせてトーストやスクランブルエッグのセットなどの朝食(Rp.30,000)も注文出来るしくみ。フムフム。

さっ、食事の美味しい匂いの余韻が残るうちにささ〜っと退散しよう!。
と逃げ足を急ぎつつも帰路はほとんど気にならず。
というより、潮が満ちて来ていて、匂いが消えている。。。
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来た時にむき出しになっていた地面に水が溜まっています。
ゴミがヘドロ化した地面に水で蓋がされた状態ということかな。。。

風向きも関係しいてるのか、引き潮の時間だけの現象なのか。。。
せっかくの穴場だったのに残念だなぁ〜

マングローブは二酸化炭素をガッツリ吸い込んで酸素をどば〜っと出してくれるし、
ゴミから出る有毒なガスも、ダイオキシンも綺麗に浄化してくれる自然の浄化システム。
有り難き存在。
確か、ゴミが酷いと枯れるはず。
原生しているということは、まだまだ捨てたもんじゃないのかな。。。

バリ島のゴミ問題のニュースは世界に拡散されてしまっている始末。
でも、最近は政府も重要視して、かなり改善策(各地の河川にごみ収集マシン導入)
がなされてきましたし、学校や企業からゴミ収集デイを実施しているのをよくみます。
ゴミ箱の設置も増えて明らかに意識は高まってきているのは確かです。
デンパサールのバンドゥン河川敷(パサール跡)は見違えるようになり、
今やデートスポットになっていますし。。。

*****約2ヶ月経過

あの地獄の様な匂いを忘れた頃に、
またまた突然その日はやってきました。
ニョマンさんから
「明日のお昼、ご飯食べにきて!!友達さそっておいで」
「え〜〜〜」
「とにかくおいで!待ってるよ〜〜」
「えええええ?」

頭のどこかであの景色をもう一度確認したいと思っていたので、葛藤の末、またもや地獄の埠頭へ行く気に。
というか、ニョマンさんはきっと風向きを計算していると信じて向かいました。
お友達を道連れにしてwww

 

結果、全く匂いなし。ホッ

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「うぁ〜〜〜〜素敵」

道連れにしたお友達の第一声を聞いて、ホッと胸をなで下ろしました。
「よかった!今日は臭く無い!」

「いいところだね〜♪」
「小旅行に来たみたいよね♫」
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ほんとうに天国と地獄の差です。
匂いが無ければ超いいところなんです。
バイパスから急にこの景色になるのがちょっと新鮮。

いつもニコニコのニョマンさんが、待っていました。
「よく来たね!さ〜食べて食べて!」

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いただきま〜す♫

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魚(鯛系)のスープ美味しいなぁ〜〜〜?

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ここのマスト食いの品。タコゴレン。
コブミカンの葉の爽やかな香りがアクセント。

今日は時間もあってのんびりたっぷり食事を堪能しました。
旬のタコのお味。やっぱり最高です。???

 

このニョマンさんがどれだけ凄い人なのかは、私は詳しく知らないけれど、
バリ島に入港する船舶に関係することで無くてはならない方のようです。
なんと、もともとは白タクのドライバーさんだったそう。
叩き上げです。
「中学校を卒業してすぐに働きだしたんだよ」

ニョマンさんは超働き者で、じっとしていられない性分のようです。
今日は久々のお休みだったそう。
彼の奥さんもたしか学校の先生をする傍ら、朝市で何か販売してるとか言ってたはず。

「この土地は荒れ地だったけど、わたしが開拓してるんだよ」
そっか〜!自分が切り開いた夢の埠頭を見せたかったんだな??

埠頭の名前は「Dermaga Kodang Sesetan」(Dermaga=埠頭)

そういえば、この前来たときよりもさらに整備されているようで、
小さなコンビニ的なお店も2件出来ていました。
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ボートを待つ間は、この茅葺き屋根の下で座って待つ事が出来ます。
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ナルホド、離島へ渡る人の待ち合い、飲食を見込んでの豪快な掛け。

「離島へ今朝だけで480人渡ったよ。」
「それは、少なくとも3分の1は待ち時間にここで飲食しますよね!」
「戻って来る人達も居るからね、4社のファストボートが1日2往復運行するよ」

埠頭の全景はこちら!(dembasar Viralより)
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@denpasar.viral
Photo credit: @riskidarmawan_

 

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対岸がスランガン島
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ニョマンさんは、他の事業の成果もどんどん喋る。
頭が電卓人間。

こういうバリ人、たま〜〜に、いらっしゃいます。
バリ島でバリ人が、やる気と欲と、根性とマメさと、ビジネスセンスを持ったら、鬼に金棒。『ニコニコ、のんびり、お祭り命』なバリ人の中で珍しくそいういう志を持ってると独走になる。

ニョマンさんが素晴らしいのは、アグン山の噴火の時に瞬時に自分の土地に仮設住宅をどーんと建てて、数百人を避難させたこと。
噴火と同時くらいに動いたんではないかな〜。
地震の時も、ささっと物資を船に積んで送ります。

「ちょっとぉ〜、ニョマンさん政治家になるつもりなんでしょ!」
「いやいや〜!わたしはやらないよ!!(笑)」
「嫁がやってるから」

「は?!」
「嫁は4月に出馬するよ」
「今日の夕方は家内の演説があるんだよ」
「ひぇ〜〜マジで!」
「もうすぐ、奥さんの顔の写真の選挙のTシャツを作るからあげるよ」
「え、ああ、う〜?ありがとうございます」
(何の出馬か理解出来なかったけど、市会議員みたいなものかな?)
とにかくす、す、すごい夫婦だわ。?

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学生達の前で演説するニョマンさん

 

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ギリやレンボンガンへ向かう時、食事したりマングローブの景色を見たりしながら待てたら最高です。
マングローブ見学のボートも運行するそうです。

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ここの埠頭からの離島への出航野メリットは足が濡れないこと。
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サヌールのビーチから船に乗り込む時は、膝上まで海につかって乗り込む事になります。
クタ方面から車で来られる方もバイクで来られる方も場所的に便利です。
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ただし臭く無ければ!!!

ちょっと迷いつつも、ニョマンさんに問いました。
「ところで。。。あの〜。。。ここ、この前ここに来た時、早く帰りたい〜〜と思うくらい臭かったんですが、ゴミ臭は大丈夫なんですか?」

「大丈夫、来週にこのマングローブをマシンで大掃除するから。そのうちゴミをまるごと全部かっさらうから、待ってて!」

「干潮の時に臭いんですか?」
「うん、干潮に、ゴミがむき出しになるんだ」
「なるほど。。。」
「徹底的に綺麗にしてくださいね!」
「大丈夫!まかせておいて」

 

避けて通るような場所に目を付けて、道を切り開いて、道路を作り、電気や水道を通してお客をひっぱってきたということ。。。???✨

普通は政府がやることだと思いますが、このおっちゃんは、何でも自分で開拓していきます。
『ゴミの山も金の山』にしてしまうパワー??

国が動く前に動く男、あっぱれニョマンさん♫


■Warung Kodang Sesetan
jl.Pemelisan 1, Sesetan Denpasar
毎日7:00〜18:00
Google Mapで出てきます

埠頭の名前はDermaga Kodang Sesetan
目下匂いの改革中なので、干潮を避けてお試し下さい。Take care!!
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ファストボートのラインアップ
◆Elephant Fast Cruise
◆NS Boat
◆Golden Queen fast boat